世界的な情勢や近年の働き方の見直しで、リモートワーク・テレワーク(自宅勤務)となった方も多いと思います。
通勤、移動時間、その他のリスクを考えて今後は「出社の必要がない仕事はテレワークで」という傾向は必ず強くなります。

テレワークをするのに必須なのがネット環境です。これからネット環境を整えようと思っている方向けに、分かりやすくテレワークに欠かせないネット環境を解説していきます。
テレワークに必要なネット環境・推奨環境

テレワークに必要なネット代金なども契約する回線によって変わってくるので、自分の必要な環境と金額に合わせてネット環境を快適に整えましょう。
ビデオ会議が快適にできるか

テレワークではZOOMやSkype、GoogleMeetなどのオンラインビデオ通話アプリを利用する機会が多くあると思います。しかし映像を伴うビデオ通話は意外にもデータ通信量が多く、通信速度が遅いネット環境だと画面が止まってしまったり、音声が途切れるなどスムーズな会話ができなくなります。
会議アプリ | 必要な速度 | 1時間のパケットデータ量 |
---|---|---|
ZOOM | 600Kbps〜1.5Mbps | 600MB |
スカイプ | 1.2Mbps〜1.5Mbps | 250MB |
メールなどのやり取りは、通信速度が遅いネット回線でも可能ですが、テレワークで必須になるビデオ会議がスムーズに使えるネット環境を整えるのは必須になります。
データのやり取りで上り下り速度が安定しているか

快適なネット回線で重要なポイントの1つに、通信速度の速さがありますが、ネット回線は上り・下りに別れており、どちらが速くても、もう一方が遅ければ快適とは言えません。

動画を見たり、ウェブサイトを閲覧したりするのは下りで、パソコンからメールを送ったりデータファイルを送信したりするのが上りになります。
ビデオ会議では、相手の動画を受信しているだけではなく、自分のパソコンやタブレットなどから自分の映像も送信しているので、上り・下りの両方が重要になってきます。
ネット回線で重要なのは通信速度が速いことですが、一瞬の速さはでは意味がありません。上り・下りともに安定して速度が出ている必要があります。
パケットデータ容量に余裕があるか

極論をいってしまえば、スマホのテザリング機能を使ってパソコンでビデオ会議などのテレワークも可能ですが、ビデオ通話はデータ量を多く消費します。
代表的なビデオ通話アプリ「ZOOM」のデータ通信量は、1時間で約600MB消費するので、ZOOMを1日8時間繋いだままの状態だと4.8GBと大量のデータ容量が必要になります。
スマホのパケットデータプランにもよりますが、基本的にスマホのテザリングを使ってテレワークをするのは短期間のみと考えるのが良いと思います。
長期間のテレワークを行う場合には、光回線やポケットWiFiなどネット環境をきちんと整えるのが結果的に安上がりになります。

それぞれの通信量は以下の通りなので利用する会議アプリによって多少差が出てきます。気になるアプリはチェックしてみてください。
アプリ別 | 1時間ビデオ利用時のデータ量 |
---|---|
ZOOM | 600MB |
Skype | 120MB |
LINE | 600MB |
Google Meet | 600MB |
テレワークにおすすめのWiFiサービス
先ほど、テレワークをするにあたって重要なポイントを3つほど上げました。
- ビデオ会議が快適に出来るか
- 上り・下りとも速度が安定しているか
- パケットデータ量に余裕があるか
以上の3点をもとに、テレワークを快適にする事ができるネット環境を分かりやすく紹介していきたいと思います。
1番のおすすめ:「光回線」

光回線は、光ファイバーと言われるケーブルを利用しているインターネット回線です。高速・安定・無制限に使えるネット回線です。
- 通信速度・通信安定性が高い
- データ通信量をどれだけ使っても定額
- 会社によってはスマホ代が安くなるセット割がある
光回線と言っても、100社を超える会社がサービスを提供しており、どれでも同じというわけではありません。
横スクロールできます。
業者別 | 月額料金 | 工事費用 | セット割 | 特典 |
---|---|---|---|---|
ドコモ光 | 4,000円〜5,200円 | 16,500円〜19,800円 | ドコモ | ・20,000円キャッシュバック ・dポイント20,000ptプレゼント ・wifiルーター無料レンタル |
Softbank光 | 3,800円〜5,200円 | 9,600円〜24,000円 | Softbank・Ymobile | ・33,000円キャッシュバック ・wifiルータープレゼント ・他社乗り換えで24,000円キャッシュバック ・他社ケータイからSoftbankへ乗り換えで9,500円割引 |
NURO光 | 4,743円 | 40,000円 | Softbank | ・45,000円 ・工事費無料 |
auひかり | 3,800円〜5,100円 | 30,000円〜37,500円 | au | ・最大61,000円キャッシュバック ・他社から乗り換えで30,000円キャッシュバック ・auスマートバリュー新規加入で、10ヶ月間毎月1000円キャッシュバック |
ビッグローブ光 | 3,980円〜4,980円 | 19,600円〜30,000円 | au BIGLOBEモバイル | ・25,000円キャッシュバック ・工事費無料 ・wifiルーター1年無料レンタル |
eoひかり | 4,953円 | 27,000円 | au | ・最大34,000円分オトク ・工事費無料 ・商品券10,000円分orネット家電製品 ・他社解約費用負担 ・電気ガス割引 |
戸建ての場合には、電線から引いてきた光回線を1本まるごと独占できるのに対して、マンション(集合住宅)の場合には、マンション内の契約者で1本の光回線を分け合うことになります。他の契約者の利用状況によって混み合った場合など、通信速度が不安定な場合があります。
光回線は高速無線LANでWiFi環境を整えられる

自宅でインターネットを利用するときには、一般的にwifi接続をする方が多いとおもいます。快適なwifi環境を整えるには、高速無線LANに対応したwifiルーターを使う必要があります。
例えばNURO光は最大2Gbpsの高速通信に対応している光回線ですが、自宅まで2Gbpsの速度で来ていたとしても、スマホやパソコンにwifi接続するためのwifiルーターの性能が低ければ、実際に使える速度は遅くなってしまいます。
光回線の高速通信をなるべく速度を落とさずwifi接続するには、wifiルーターの選び方も大切になってきます。
通信規格をチェック
wifiルーターを選ぶ時に重要になってくるポイントの1つに、通信規格があります。
通信規格 | 最大速度 | 周波数 |
---|---|---|
IEEE 802.11ax | 9.6Gbps | 2.4/5GHz帯 |
IEEE802.11ad | 6.8Gbps | 60GHz帯 |
IEEE802.11ac | 6.9Gbps | 5GHz帯 |
IEEE802.11n | 600Mbps | 2.4/5GHz帯 |
IEEE802.11a | 54Mbps | 5GHz帯 |
通信規格には、いろいろな種類がありどの通信規格を利用しているwifiルーターを使うかによっても通信速度が変わってきます。
wifiルーターには対応している周波数というものがあり、2.4GHz帯の周波数は、電波が遠くまで届き障害物にも強い電波なので、wifiルーターを設置した場所から遠い場所で使うときには適した周波数ですが、電波干渉しやすく電子レンジやBluetooth機器を使っていると電波が不安定になりやすい特徴があります。
対して、5GHz帯の電波は電波干渉が起こりづらい代わりに、障害物に弱くwifiルーターから離れた場所だと届かない場合もあります。
60GHz帯は2.4/5GHz帯よりも高速な通信が可能ですが。障害物に弱く近い距離でしか使えない周波数で、現在の日本ではあまり普及していない周波数ではありません。
光回線は回線とセットでwifiルーターを無料でプレンゼントしてくれたり、レンタルしてくれるところもありますが、wifiルーターを選ぶ時には、通信規格をしっかりチェックして選ぶのが快適なwifi環境を作る時に重要なポイントになります。
IPv6対応のwifiルーターを選ぶ

IPv6とは、最新の通信規格で、前世代の規格であるIPv4は既に飽和状態で常に渋滞している状態です。IPv6という通信規格は、新しいものなので混雑しておらず快適な通信速度で通信を行うことが出来るようになっています。
分かりやすいイメージでいうと、渋滞している一般道ではなく混雑していないバイパスを通ることが出来る技術がIPv6規格になります。
今回紹介したドコモ光・Softbank光・NURO光・auひかり・ビッグローブ光・eoひかり・の5社はすべてIPv6規格に対応している光回線ですが、IPv6の通信を利用するにはIPv6に対応しているwifiルーターが必要になります。
光回線がIPv6に対応していても、wifiルーターが対応していなければ意味がなく、快適な高速通信を使うことは出来ません。
光回線利用開始までの手順
まずは、申し込みたい光回線のを決めましょう。光回線の選び方は
- 月額料金
- 使っているスマホ通信会社
- 対応地域
- キャッシュバック金額
などで選びましょう。
申し込んだ光回線会社から電話やメール等で開通工事の日程調子連絡があります。
土日しか休みが取れない人は、事前にいくつか候補の日程を考えて置くとスムーズに開設工事日程を決めることが出来ます。
現在利用している光回線がある人は、忘れずに解約の手続きを行いましょう。光回線とプロバイダーが別になっているところで契約した人は、忘れずにプロバイダーの解約もしておきましょう。
開通工事を行った日から光回線を使うことが出来るので、開通工事日=光回線が使える日になります。予定が合えば1週間もかからず開通する事も出来ますが、繁忙期などは数週間や数ヶ月待たされることもあるので、余裕を持って申し込むようにしてください。
また、Softbank光や、NURO光など、開通までの期間すぐに使えるモバイルwifiルーターなどのレンタルを行っている場合もあるので、開通まで時間がかかる場合には借りてみても良いのではないでしょうか。
光回線のデメリット
一番快適にネット環境を整えるのであれば光回線がおすすめすが、光回線にもデメリットはあります。
- 最初に開通工事が必要
- 開通工事費用がかかる
- 使える範囲は自宅だけ(WiFiが届く範囲)
光回線で一番のデメリットとも言えるのが開通工事が必要な点です。立ち会いが必要な場合もあり仕事が休みの土日に工事希望が集中するため、繁忙期には申し込みから開通するまでに数週間かかる事もあります。
また、開通工事費用はプロバイダーによっても違いますが数万円かかる場合もあります。
光回線は固定のインターネット回線になるので、外に持ち出す事はできません。自宅内のWiFiが届く範囲でしか接続出来ないので、自宅以外の場所でWiFi環境が必要な場合にはWiMAXやポケットWiFiなどのモバイルルーターの方が便利に使うことができます。
2番目のおすすめ:「WiMAX」

WiMAXは、UQコミニュケーションズが提供しているモバイルルーターで、深田恭子らが演じる三姉妹のCMや、最近だと格安SIMのUQモバイルも有名なので知っている人も多いと思います。
- 工事不要で最短翌日から利用可能
- 月間データ通信量は無制限
- 光回線よりも月額料金が安い
WiMAXはドコモやソフトバンクなどの電波ではなく、独自の電波を使っているモバイルルーター(持ち運びが出来るWiFi)になります。光回線と同じように、WiMAXも様々なプロバイダーからサービス提供されていますが、月額料金や契約期間、キャッシュバックなどのキャンペーンは各社それぞれ違うので、自分にあったWiMAXを選びましょう。
持ち運べるWiFiはポケットWiFiという総称で定着していますが、ポケットWiFiとはYmobileが提供しているサービスの名称で、ポケットWiFiやWiMAXを含めた持ち運べるWiFiの総称は、モバイルルーターやモバイルWiFiルーターが正しい呼び方になります。
プロバイダ別 | 月額料金 | 契約期間 | キャンペーン |
---|---|---|---|
GMOとくとくBB WiMAX | 1〜2ヶ月目3,609円 3ヶ月目〜4,263円 | 3年 | ・30,500円キャッシュバック ・端末無料 |
BIGLOBE WiMAX | 3,980円 | 1年 | ・15,000円キャッシュバック |
Broad WiMAX | 1〜2ヶ月目2,726円 3〜24ヶ月目3,411円 25ヶ月目以降4,011円 | 3年 | ・ネット申し込みで初期費用無料(18,857円) ・乗り換えで違約金負担 ・端末無料 |
カシモWiMAX | 1ヶ月目1,380円 2ヶ月目〜24ヶ月目3,580円 25ヶ月目以降4,079円 | 3年 | ・端末無料 |
WiMAXは、どのプロバイダーも本元はUQなので、通信速度や使えるエリアに差はありません。なので、契約年数やキャンペーンの内容を比較して、自分に合ったWiMAXを選びましょう。
自宅ならホームルーターが高速かつ安定
WiMAXはモバイルルーターの一つですが、最近は持ち運びをしないホームルータータイプのWiMAXも人気です。持ち運びをしない前提で作らているので、持ち運びができるモバイルルーターに比べて端末が大きくなっており、電波の受信感度もよくなっています。
もちろんWiMAXのひとつなので、工事は不要で届いたらコンセントに挿すだけですぐに簡単にWiFiを使うことができます。
WiMAX利用開始までの手順
WiMAXは、プロバイダーによって通信速度・エリア・使用端末などに違いはありません。月額料金・キャンペーン・発送日時・支払い方法で選びましょう。
WiMAXの契約には以下のものが必要になります。
- 運転免許証
- パスポート(日本国旅券)
- マイナンバーカード(個人番号カード)
- 健康保険証+補助書類
- 住民基本台帳カード(写真付のみ)
- 身体障がい者手帳または療育手帳 または精神障がい者保健福祉手帳
- 特別永住者証明書
- 在留カード
WiMAXは早ければ即日発送され、翌日には自宅に届くので申し込み翌日には使う事も可能です。
WiMAXのデメリット

WiMAXは通信速度もモバイルルーターの中では安定しており、快適なネット環境を作ることが可能ですが、2つほど致命的なデメリットがあります。
- 使えないエリアがある
- 月間では無制限でも3日で10GBの通信制限がある
この2点は人によっては大きなデメリットになるので、WiMAXを契約する前にかならず確認してください。
使えないエリア(場所)がある
WiMAXは独自の電波を使ったモバイルルーターなんですが、WiMAXが使っている電波(周波数)は、障害物に弱く、届く距離が短いという特徴があります。
つまり、建物の中や地下など壁に遮られる場所では、電波が届かない場合があります。スマホで使っている電波は障害物に強く、届く距離も長いので、普段使っていて圏外になる事は少ないと思いますが、WiMAXの場合には場所によっては使えない事もあります。
また、都心部を中心にエリアの拡大を行っているので、地方では都心部に比べて使えないエリアが多いのもデメリットの一つです。
住んでいる場所がWiMAXエリアギリギリの場合や、地下やビルの中での使用が多い場合などは使えない事もあるので、注意が必要です。
3日で10GBの通信制限がある
WiMAXは、月のデータ通信量は無制限に使うことが出来ますが、3日間で10GBまでという制限があります。3日で10GBのデータ通信量を超えてしまうと、1Mbps以下に通信速度制限されてしまいます。
この通信制限は、10GBを超えた翌日の18時〜翌2時までの8時間程度の間で、その時間帯を過ぎれば通信制限は解除されます。
3番目のおすすめ:「LTEのモバイルwifiルーター」

WiMAXが独自の電波を使ったモバイルwifiルーターなのに対して、LTE系のモバイルwifiルーターとはドコモやSoftbank、auのLTE電波を使ってサービスを提供しているモバイルwifiルーターです。
スマホがデータ通信に使っているLTE電波を使っているので、簡単に言うとスマホが使える場所であれば同じように快適に使うことができます。
WiMAXのデメリットは使えるエリアがLTEの電波に比べると弱い点なので、WiMAXが使えない場所であればLTEを使ったモバイルwifiルーターの方がおすすめです。
LTEのモバイルwifiルーターも様々な会社からサービス提供されており、契約期間の縛りが無いものやデータ容量が決まっているもの、大容量のデータ通信が使えるものなど自分にあったサービスを選ぶことができます。
月額料金 | データ容量 | 契約期間 | キャリア | |
---|---|---|---|---|
フジワイファイ | 2,600〜4,400円 | 30/50/100GB | 無し | ドコモ/Softbank/au |
縛りなしwifi | 2,600〜3,480円 | 20〜無制限 | 無し | Softbank |
それがだいじwifi | 3,250円 | 100GB | 2年間 | ドコモ/Softbank/au |
30GBや50GBの低価格プラン
LTEを使ったモバイルwifiルーターはWiMAXに比べて、多くの会社が様々なプランでサービス提供しているので、縛りなしwifiのように1日2GBだったり、フジワイファイの30・50・100GB、それがだいじwifiのように150GBの大容量と、自分の使う容量に合わせて選択肢の多さが魅力的です。
大容量のデータ通信が必要ないのに、無制限で高額な月額料金のWiMAXを契約するような必要はありません。自分に合ったモバイルwifiルーターを選びましょう。
ポケットWiFi利用開始までの手順
月額料金・使いたいデータ容量・契約期間などで比較し、自分の使い方に合わせて選びましょう。
- 運転免許証
- 日本国パスポート+【補助書類】
- 国民健康保険被保険者証
- 健康保険証
- 個人番号カード(マイナンバーカード)
- 住民基本台帳カード(写真付き)
- 身体障害者手帳
- 精神障害者保健福祉手帳
- 療育手帳
- 在留カード
- 特別永住者証明書
申し込みには身分証明書が必要になります。会社によって必要書類が若干違いますが、免許証がある人なら免許証があればまず問題なく契約する事が可能です。
モバイルwifiルーターも工事が必要ないwifiなので、発送されて受け取れば電源を入れてすぐに使いだす事がk脳です。
LTE系のモバイルwifiルーターのデメリット
LTE系のモバイルwifiルーターはWiMAXよりも使えるエリアや場所が広く、快適に使えるモバイルwifiルーターです。
使っている電波が携帯大手のドコモ・Softbank・auの電波なので品質も良いんですが、逆に大手の電波を使っている事がデメリットにもなります。
WiMAXが独自の電波を使っているのに対して、LTE系モバイルwifiルーターは大手の電波をお金を支払って借りることでサービスを展開しています。サービスを提供している会社も利益を追求するために、大手から借りている電波の枠の中で契約者を増やそうとするので、最初は快適な高速通信が出来ていたのに、契約者が増える事で通信速度が遅くなる場合があります。
また、電波を貸し出している大手の方針転換で通信速度が遅くなる事もあるので、注意が必要になります。
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